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序説

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(この文章は2011年のアメリカでの写真集出版時に書かれたものです。

現在では、吉田寮は築105年となりました。)

 

■吉田寮について

吉田寮は90年以上の歴史を持つ京都大学の学生寮です。1913年(大正2年)築の木造建築を、現在でも180名あまりの人々が寮舎として使用しています。 

吉田寮は住人による自治によって運営され、長い歴史の中で独自の文化を培ってきました。かつては男子学部学生のみの学生寮でしたが、1980年代から女子学生、留学生、大学院生など京都大学に学籍を持つすべての者、および学生の家族や介護者など(「同居の切実な必要性が認められる者」)の入寮を認め、現在では多様な人々の生活の場となっています。住人にかぎらずとも、頻繁に訪れる寮外生や、吉田寮食堂で開催される音楽・演劇活動にかかわる人々、宿泊者など吉田寮は多数の人々の節点となる空間となっています。

1982年には京都大学による廃寮化が発表されましたが、寮生・寮外生の反対運動により1989年に撤回されています。

近年では、寮宿舎の老朽化・耐震性への疑問を背景とし、吉田寮の建て替えを巡り、京都大学当局と寮自治会および関係者の間で交渉が行なわれていますが、2010年現在、建て替えに関する結論は出ていません。

 

■施設

東西に伸びた北寮・中寮・南寮の三棟が管理棟によって接続され、上空から見るとE字型の配置となっています。床面積は約2000平方メートルです。

北寮・中寮・南寮は2階建てで、10畳から6畳の部屋がそれぞれ約40部屋あり、寮生の居住空間として利用されています。管理棟には共有スペースである事務室や、会議・宿泊に利用される舎友室、旧印刷室、茶室などが配置されています。

 

■寮費

寄宿料 月額400円

自治会費 月額500円

水光熱費 月額1000円から2000円程度

​(高田敦史)

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